こどものかかりやすい病気|小児科 かじわら田奈駅前こどもクリニック

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急性上気道炎(風邪症候群)

急性上気道炎(風邪症候群)

上気道(鼻からのど、気管の入り口にかけての空気の通り道)に様々な病原体が感染し、この部分に炎症を起こしている状態を総称して急性上気道炎と言います。原因のほとんどはウイルスで、代表的なものにはライノウイルス、コロナウイルス、RSウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルスなどがあります。
急性上気道炎の主な症状はくしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、せき、痰、頭痛、熱などですが、吐き気・嘔吐、下痢、腹痛などの消化器症状を伴うこともあります。
鼻水は、最初のうちは水のようにサラサラしていますが、2〜3日すると粘っこくなり、黄色みを帯びてきます。通常、1週間以内に症状は改善します。発熱の程度はいろいろで、熱の無いことも多いのですが、乳幼児では熱が高く(38〜40℃)、症状も全般的に強くなる傾向が見られます。

急性上気道炎の診断

通常は、特に検査は行わず、問診と診察で診断をつけます。血液検査をして、白血球数などから体内の炎症の程度を調べることもあります。ウイルス性でなく、細菌性が疑われる場合には、のどにいる溶連菌の検査を行います。
せきが激しく、嘔吐や不眠などを伴うような場合は、気管支炎や肺炎の可能性を視野に入れながら診断します。

急性上気道炎の治療

大部分はウイルス感染症のため、原則として抗生剤は使用しません。症状の程度に応じて、解熱剤や鎮咳去痰剤などを用いた対症療法を行うこともあります。水分補給や栄養補給をしっかり行い(特に乳幼児では、発熱時に水分をよく摂れないことがあるので、脱水に対する注意が大切です)、安静を保つなどのケアを行ってあげていれば、ほとんどは自然に治癒します。

気管支炎

気管支の粘膜に炎症が起こった状態です。急性上気道炎に3〜5日遅れて発症し、激しいせき(はじめは乾いた乾性咳嗽で、しばらくすると痰の絡んだような湿性咳嗽に変化)、痰、発熱を伴います。
原因微生物の多くはウイルスで、上気道からの分泌物の下降や呼吸に随伴する吸い込み、ウイルス感染が下気道に波及することなどにより発症します。二次的な細菌感染をきたした場合は、肺炎に至ることもあります。

気管支炎の診断

気管支炎の診断は、患者さんの症状による判断、および肺炎を否定することなどによって行われます。胸部X線検査等によって、肺の状態を調べ、肺炎との鑑別をつけます。また、細菌感染が無いかを調べるためには血液検査を行います。

気管支炎の治療

ウイルスが原因の場合は、特別な治療法は無く、対症療法が中心になります。対症療法としては、鎮咳薬、去痰薬、消炎薬、気管支拡張薬などが用いられます。細菌感染が疑われる場合は、マクロライド系の抗菌薬などを投与します。
細菌感染を合併した場合を除き、多くは自然な経過のうちに治癒します。

嘔吐下痢症

嘔吐下痢症とは、ノロウイルスやロタウイルス、アデノウイルスなどのウイルスが体内に入り込み、ひどい嘔吐や下痢症状が出る疾患です。熱は出ないことが多く、出たとしても38℃前後と高熱には至らないケースがほとんどです。嘔吐や下痢は比較的短期間で治まりますが、脱水症状を起こす危険があり、注意を要します。

嘔吐下痢症の原因

嘔吐下痢症の原因はウイルス感染であり、体内に侵入したウイルスを体外に追い出そうとして、嘔吐や下痢といった症状が起こるのです。
傾向として、感染するウイルスは季節によって流行する時期が異なり、秋から冬にかけてはノロウイルス、冬から春にかけてはロタウイルスといった具合です。
なお、嘔吐下痢症はウイルス感染症であり、ほかの人にうつす危険性がありますので、嘔吐や下痢などの症状が出ている間は保育園や幼稚園、学校には行けません。特に便には、症状が治まってからもしばらくはウイルスが排出されるので、注意が必要です。

嘔吐下痢症の症状

ウイルスに感染しても、それとは気づかないので、元気だった子どもがいきなり吐き始めたりします。嘔吐は一度では終わらずに何度も繰り返し、同時に下痢も始まります。子どもによっては嘔吐だけ、あるいは下痢だけというケースもあります。嘔吐は1日程度で治まりますが、下痢は長引きやすく、1週間くらい続くことが多いようです。便は、酸っぱい匂いのする水様状で、白色やクリーム色になります。

嘔吐下痢症の治療

吐き気止めや整腸剤、下痢止め、場合によっては抗生剤を使うこともあります。しかし、嘔吐下痢症を治すには、基本的にウイルスが体外に排出されるのを待つしかありません。子どもの状態を見守りながら、症状が治まるのを待ちましょう。少しずつ吐き気が鎮まってきたら、水分と共におかゆなどの消化の良い食事を摂らせ、様子を見てください。食べ始めてから再び吐き始めるようなことが無ければ、そのままに対応していって問題ありません。

尿路感染症

尿路感染症とは、細菌による腎尿路系(腎臓・尿管・膀胱・尿道)の炎症のことで、主に膀胱の感染症(膀胱炎)、もしくは腎臓の感染症(腎盂腎炎)のことを言います。
この疾患は、尿道口(おしっこの出口)から細菌が膀胱内へと侵入することによって発症し、膀胱の中で感染がとどまっている場合は膀胱炎、細菌が膀胱から上方に向かって腎臓まで侵入すると腎盂腎炎を引き起こします。尿路感染症か否かは、尿の中の細菌の有無を確認することで診断をつけます。

尿路感染症の症状

赤ちゃんの尿路感染症では、発熱(38.5℃以上)、機嫌が悪いといった全身症状だけの場合が多いようです。幼児ではお腹や背中を痛がる、おしっこをする時に痛がる、などの症状が加わる場合があります。尿がいつもより臭い、尿に血液が混じるといった症状が起きる場合もあります。学童以降の年長児ではトイレが近い、排尿時痛が強いといった排尿に伴う症状が中心になり、時には血尿も認められます。ただし、年齢を問わずに高熱を伴う場合は膀胱炎だけでなく、腎盂腎炎を発症している可能性が考えられます。

尿路感染症の診断

前記のように、尿路感染症かどうかは尿中の細菌を確認することによって診断をつけます。ただし、尿道口には普段から細菌(常在菌)が付着していて、尿の採取法によっては常在菌が尿に混ざり込んでしまい、正確な診断ができなくなる可能性があります。まだトイレに行けない乳幼児では一般に、採尿パックを尿道口に貼り付けて採尿します。年長のお子様なら自分でおしっこを採ってもらいますが、この場合も出始めの尿ではなく、途中の尿を採ってもらったほうが正確な診断に結び付きやすくなります。明らかに尿路感染症が疑われるようなケースでは、カテーテルを尿道から挿入して膀胱内の尿を直接採取したほうが確かな診断がつき、適切な治療につながります。
なお、尿中の細菌を調べるには培養検査が必要なため、その日のうちには結果が出ません。そのため通常は、尿中の白血球(感染が起きると体内から尿中に出てくる)を顕微鏡で調べることによって尿路感染症の初期診断を行います。

尿路感染症の治療

発熱を伴わないような膀胱炎なら、多くの場合、抗菌薬を服用すれば丸1日で症状の改善が見られ、3日間も服用すれば完全に治ります。しかし高熱を伴い、腎盂腎炎が疑われたケースでは、2週間ほどにわたる抗菌薬の投与が必要です。最初は食欲も無く、脱水気味になっていることが多いので、点滴で抗菌薬を投与し、解熱後に食欲が出てきたら、飲み薬による投与を続けます。

アトピー性皮膚炎

小児のアトピー性皮膚炎は、年齢によって皮脂の分泌量が異なるため、症状もやはり異なってきます。生後2~3ヶ月から1歳頃までのアトピー性皮膚炎では、顔や頭、耳にジクジクとした湿疹が出てきます。肘や足首などの関節部分に湿疹が生じたり、「耳切れ」と言って耳のつけ根がただれて切れてしまったりすることがあります。
2~10歳頃は手足の関節の内側や首、わきの下などにカサカサと乾燥した湿疹が出ます。また、季節の影響としては、夏場は皮膚の化膿や汗、虫刺されによる刺激でジクジクしやすくなります。冬場は空気の乾燥によって、かさつきや痒みが強くなります。アトピーが冬場に悪化しやすいのは、このためです。

アトピー性皮膚炎の原因

アトピーの原因は人によって様々ですが、特に多いのがダニやハウスダストです。
アトピー性皮膚炎の疑いがある場合は、血液検査を受けましょう。そして皮膚による食物アレルギーの検査を受けて、医師の指示に従います。

アトピー性皮膚炎の治療

アレルギーテストの結果、アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの関与があり、原因となる食物がはっきりし、除去する必要があると判断された場合は、その食物を除去するようにします。無闇な食事制限は栄養障害を招くリスクがありますので避けてください。そして湿疹ができたら、ステロイドなどの治療薬で良い状態に戻しましょう。
なお、アトピー性皮膚炎の治療にあたり、ステロイドの塗り薬に抵抗感をお持ちの保護者の方が少なくありませんが、症状に応じて必要な量を必要な期間だけ使い、症状が軽くなったら薬を減らしたり、弱いものに変えたりするように適切に用いれば、何ら心配はいりません。お肌の状態が良くなった後は、保湿剤でスキンケアを続けることが大切になります。

気管支喘息

気管支に炎症が継続的に起こって様々な刺激に敏感になり、気管支を取り囲んでいる筋肉が収縮して空気の通り道が狭くなるアレルギー性の疾患です。気管支喘息は、日本では小児の5~7%、成人の3~5%くらいに認められ、その数は増える傾向にあると言われます。

気管支喘息の症状

気管支喘息では、せきや痰が出やすくなり、ゼーゼー、ヒューヒューという音(喘鳴)を伴って呼吸が苦しくなります。このような状態を「喘息発作」と言い、この発作の程度が強いほど、また頻度が多いほどに、気管支の炎症も強いことがわかります。

気管支喘息の治療

原因・悪化因子の除去・回避および薬物療法が、喘息治療の2本柱です。
気管支喘息の治療薬には、症状の無い時にも炎症を抑えるために使用する薬(コントローラー:長期管理薬)と、喘息発作時に症状を鎮めるために使用する薬(リリーバー:発作治療薬)があります。リリーバーを使わなくても済む状態を目指して、コントローラーを上手に使って治していきます。炎症をコントロールし、気道の炎症が無くなるまできちんと治療することによって、大人になっても喘息発作を引きずることのないようにすることが大切です。